top of page
ダニエル・ビュレン

− 回顧 −《Broken Glass》#43 +《Broken Glass》#44 (1982年作)

2025.03.01.土 ~ 04.26.土
13:00 ~ 19:00
休廊:毎週日月、 03.02.日 ~ 03.06.木

※03.07.金、03.08.土は20:30 ~ 22:00に変更。
※03.21.金、03.26.水、03.28.金、04.09.水、04.10.木、04.11.金は13:00 ~ 18:00に変更。
GALLERY KTO 新宿
ACCESS 〉〉
「ダニエル・ビュレン展」
1982年10月12日〜11月13日
かんらん舎
「ダニエル・ビュレン展」
1982年10月12日〜11月13日
かんらん舎

この度GALLERY KTOでは、大谷芳久氏の協力のもと世界的なコンセプチュアルアーティストのダニエル・ビュレンの展覧会を開催します。
ダニエル・ビュレンは1938年にフランスで生まれ、その後パリの国立高等工芸学校を卒業。60年代に活動を本格化し、65年からは自らが「視覚の道具」と呼ぶ8.7cm幅のストライプを作品に採用し、さらに1986年にはベネチア・ビエンナーレでフランス代表として参加をして「金獅子賞」を受賞しました。
今展覧会では、1982年にかんらん舎(東京)での日本初個展の際に発表された《Broken Glass》#43 と《Broken Glass》#44 の作品が時代を超えて再びインストールされます。本作品は空間との関係における色と素材を主軸に、ビュランの代表的ともいえるストライプが割れたガラスに描かれ、周囲の空間だけでなく反射した風景や光が作品に取り込まれています。ビュレンが完全な中立性を達成しようとした初期の芸術的意図を考えさせる黒のストライプの作品も展示されます。
ダニエル・ビュレンは日本に何度も訪れ、数多くの作品を制作しました。現在も展覧会での発表やパブリックアートを残し、今もなお多くの人々を魅了してやまない作家です。この展覧会を通して、常に芸術的実践を更新し知覚の問題を拡張し挑戦し続け、日本初個展から43年の月日が経っても変わらぬ芸術の姿を見せるアーティストの作品を深く考える機会となります。ぜひご覧ください。

*特別ナイトビューイング*
3月7日(Fri)+ 8日(Sat)はアートフェア東京 2025(Booth No.L014)の出展に併せて、20:30 ~ 22:00に時間を変更し特別夜間開廊をします。
(※13:00~19:00は閉廊)


ーーー ーーー ーーー

ダニエル・ビュレンの日本での初個展はガラスを壁に釘でとめるという過酷なものであった。私もアシスタントも金槌を持つ手は震えビビりながら釘を打つ。一方ビュレンはハミングしながらトントンと釘を打っていく。作品のタイトルは《Broken Glass》(壊れたガラス)だが、割っていいというものではない。ビュレンは「ガラスが割れるのは当然だ。割れれば作り直せばいい。大事なのはコンセプトだ。私の作品は壊れない」と励ましにも慰めにもならないことをいう。なんとか割らずに展示を終えた時、会場は煌めく万華鏡と化した。43年前のことである。今、作品を見て思う。新は必ずしも真ではないが、真はいつでも新である。
2025年2月 大谷芳久

ーーー ーーー ーーー

ダニエル・ビュレン Daniel Buren

1938年3月25日 フランス・パリのブローニュ=ビヤンクールで生まれる
1950年代 パリのEcole Nationale Supérieure des Métiers d'Art (国立高等工芸学校)で絵画を学ぶ

1960年代サイトスペシフィックなインスタレーション作品を発表しストライプの形式が広く知られる。
1965年 彼は異なる素材でありながら常に同じ幅8.7cmの白い縦縞と色のついた縦縞を交互に並べ、工業用生地を使用することを出発点とした。絵画とは何か・どのように表現されるか、さらにアーティストが作業する物理的および社会的環境についての研究を始める。
1966年 オリヴィエ・モセ、ミシェル・パルマンティエ、ニール・トロニとともにB.M.P.T.というグループを共同設立。このグループの「アクション展」は、ブルジョア的価値観とアート市場の閉鎖的なシステムを非難するものだった。
1967年 スタジオを放棄し、路上からギャラリー・美術館・風景・建築物へと現場での活動を始める。
1970年 東京都美術館で開催された「人間と物質展」に招待され日本で始めて紹介される。
1970年代公共空間への無許可の介入を優先して絵画制作をやめる。
1972年 「ドクメンタ5」フリーデリチアヌム美術館、ノイエ・ギャラリー (カッセル、ドイツ)
1975年頃さまざまな素材(絵の具・ガラス・紙・金属・木材)を使用し複雑な壁や環境構造を現場で制作。

1982年 「Colors in site - Works on glass」かんらん舎 (東京)で日本初個展
1985年 牛窓国際芸術祭 (岡山、日本)に200本の旗による「虹」と「借景」を発表
1985年 「A ROOM IN A ROOM」個展 かんらん舎 (東京)
1986年 ベネチア・ビエンナーレ (フランス代表)「金獅子賞」受賞
1986年 「シャンブルダミー」へーデンダース美術館 (ゲント、ベルギー)
1988年 「It is, then, smack in the middle of the place that things take place」個展 かんらん舎 (東京)
1989年 東高現代美術館 (東京)
1989年 ICA - 名古屋現代美術研究所 (愛知)
1991年 「From Facsimile to Site」個展 かんらん舎 (東京)
1992年 ヴェネツィア国立絵画大賞
1996年 「ダニエル・ビュラン 透き通った光」 水戸芸術館 (茨城)
2000年 越後妻有アート・トリエンナーレ (新潟)
2002年 ポンピドーセンター 大規模個展 (パリ、フランス)
2002年 「未完の世紀-20世紀美術がのこすもの」東京国立近代美術館 (東京、日本)
2003年 「ダニエル・ビュレン - 移行 場 作品 -」豊田市美術館 (愛知)
2003年 「Green and Red to Infinity」個展 Masataka Hayakawa Gallery (東京)
2004年 プロジェクト「フェンスのための三角形のダンス」 金沢21世紀美術館 (石川)
2005年 横浜トリエンナーレ (神奈川)
2005年 ソロモン・R・グッゲンハイム美術館 (ニューヨーク、アメリカ)
2007年 高松宮殿下記念世界文化賞 第19回 絵画部門 受賞
2012年  「Excentrique(s)モニュメンタ」グラン・パレ (パリ、フランス)
2013年 ポンピドゥー・センター (メス、フランス)
2014年 オスピシオ・カバーニャス (グアダラハラ、メキシコ)
2014年 バルチック現代美術センター (ゲームヘッド、イギリス)
2014年 ストラスブール近代現代美術館 (ストラスブール、フランス)
2015年 「No Museum No Life?―これからの美術館事典」東京国立近代美術館 (東京)
2015年 レックリングハウゼン (ドイツ)
2016年 「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」 (茨城)
2016年 パレ・デ・ボザール (ブリュッセル、ベルギー)
2016年 エスパシオ美術館 (アグアスカリエンテス、メキシコ)
2016年 フォンダシオン・ヴィトン (パリ、フランス)
2016年 「かんらん舎(1980-1993)」Gallery Koyanagi (東京)
2017年 デュッセルドルフ美術館 (デュッセルドルフ、ドイツ)
2017年 ポンピドゥー・センター (マラガ、スペイン)
2017年 オペラ・バスティーユでベンジャミン・ミルピエ作のバレエ『ダフニスとクロエ』音楽モーリス・ラヴェルの舞台美術を担当 (パリ、フランス)
2018年 「銀座の新たな顔へ」GINZA SIX (東京)
2018年 キャリッジワークス (シドニー、オーストラリア)
2018年 ウォーカーアートセンター (オハイオ、アメリカ)
2018年 ケムニッツ美術館 (ケムニッツ、ドイツ)
2019年 イタリア美術館 (リマ、ペルー)
2021年 天神ビジネスセンター 常設展示 (福岡)


鋭く、批判的で、熱心なビュレンの作品は、常に発展と多様化を続けており、常にコメント、賞賛、異論を呼んでいます。今日の国際アートシーンで最も活躍し、高く評価されているアーティストの一人です。彼の作品は主要なギャラリーや美術館、世界中のさまざまな場所で展示されています。

詳細については、www.danielburen.com をご覧ください。

bottom of page